日清カップヌードル × ベルリンフィルハーモニー
日清食品の人気商品「カップヌードル」の新商品に向けたプロジェクトは、SNS上で話題となった「地下鉄ポルカ(Subway Polka)」という動画に着想を得た企画でした。
この「地下鉄ポルカ」はベルリンフィルハーモニーのホルン奏者であるKlaus Wallendorf さんを中心としたホルンカルテットによる、東京の地下鉄の駅名について歌った楽曲で、日本人でも難しいほど早口で歌っており、音楽のプロフェッショナルによるそのシュールさが話題となりました。その動画がこちら:
今回のプロジェクトでは、この「地下鉄ポルカ」をベースにした替え歌「まちがいないうた」を軸とした企画でした。問題はCMにこの替え歌を使用できるのか、そして Klaus さん本人に替え歌の歌唱をしてもらえるかどうかでした。その許諾を確認するために制作チームは日本からベルリンフィルハーモニーに連絡を試みましたが、日本からはなかなか Klaus さんにたどり着くことができませんでした。そこでベルリンに拠点を持つ私たちに相談があり、私たちは翌日には Klaus さんに連絡を取ることができました。そして私たちはライセンス及びご本人の歌唱について交渉し、短い期間で承諾を得ることができました。日本からの交渉ではさらに時間もかかり、交渉も難しかったでしょう。
次の問題はどのようにレコーディングを進めるかでした。私たちは連携を取り、事前にKlausさんに歌詞を送り、歌唱練習をしてもらった上でレコーディングに臨みました。レコーディングは東京・ベルリン・フランクフルトの3拠点をつないで実施しました。東京にはディレクター、ベルリンには弊社のプロデューサー村上、フランクフルトにはKlausさんとレコーディングスタッフがいました。ディレクターが指示、村上が通訳し、Klausさんに伝えて歌ってもらう流れを何度も試行錯誤し、約2時間のレコーディングで素晴らしい内容を得られました。
その後私たちはKlausさんともスムーズに契約を結び、作品のローンチまで余裕を持った進行ができました。
またこの企画がKlausさんあっての企画だったということもあり、Klausさんをボーカルに迎えることができたのは作品にとって最善の結果でした。最終的な作品がこちらです:
今回のプロジェクトでは、ベルリンに拠点を置きヨーロッパ各地にネットワークを持っているTracks & Fieldsの強みを最大限活かすことができました。海外とのやりとりに立ち止まってしまっている状況があれば、是非一度弊社にご相談ください。
Klaus Wallendorf:ホルン奏者、作詞作曲家。1980年よりベルリンフィルハーモニーのメンバーとして活躍。演奏者としての実力もさることながら、その気さくなキャラクターからベルリン・フィルのシネマライブやコンサートエンターテイメントの進行役としても人気を得ている。2016年には、日本を代表する指揮者・小澤征爾氏がベルリン・フィル名誉団員の称号を授与された際、小澤氏の前にて自身でプロデュースした東京の地下鉄の駅名を歌った楽曲「地下鉄ポルカ(Subway Polka)」を披露。